2007年6月8日金曜日

古田監督が敵将に“予告先発”お願い


日本ハム・ヒルマン監督に予告先発をお願いした古田監督=神宮

 ヤクルト・古田敦也監督(41)が7日、8日からの日本ハム2連戦に向けて、敵将ヒルマン監督にメディアを通じて“予告先発”をお願いした。「うちにも先発を教えてくれるでしょう。(予告先発は)こちらは大丈夫です」と話した。

 13連勝中の日本ハムに対し、リーグ最下位に低迷する古田監督から“おねだり”だ。発端は6日の日本ハム対広島で、ヒルマン監督とブラウン監督が紳士協定を結んで、先発投手の情報を事前に交換したことにある。

 ヤクルトはこの2連戦、日本ハムの先発を吉川とダルビッシュと読んでいるが、吉川を飛ばし、ダルビッシュとグリンという可能性も捨て切れないのが実情。

 日本ハムの強さについて「投手力がいいから点は取れない。ロースコアの戦いになるでしょう。どの投手かにもよるだろうけど」。交流戦無敗の日本ハムに対し、先発投手の情報だけでも先に知り、万全の備えで戦いに臨みたい考えだ。

 試合が行われる松山は、自身が2000本安打を達成し、記念碑もある愛着ある球場。そんな背景も手伝ってか、古田監督は「勝ちたい。勝ちたいね」と二度繰り返した。

 古田監督のお願いは、ヒルマン監督に届くか-。低迷脱出のため、古田ヤクルトがなりふり構わず、勝ちにいく。

やるしかないんだ!王監督が猛ゲキ


練習で熱血指導をする王監督(中央)=ヤフードーム

  ソフトバンク・王貞治監督(67)が7日、ヤフードームでの全体練習で「やるしかないんだ!自分がもういいと思ったら駄目だ!」とチームに猛ゲキを飛ばし た。交流戦では4勝8敗。首位から3位に転落するなど厳しい状況なだけに、1軍選手全員参加でキャンプを思わせるハードなメニューを課した。

 ドーム内に熱のこもった言葉が響き渡る。「相手も必死。こっちも必死にならなければいけない」。広島への移動前、約3時間にわたった全体練習。メニューの節目ごとに円陣が組まれ王監督が選手へ熱く語りかけた。

 指揮官の視線が鋭く光る。実戦形式の守備練習から、主砲・松中らを指名しての打撃練習。バントやヒットエンドランを重点に置いた攻撃の確認では、松中にもバント練習をさせた。

  シーズン中では異例ともいえる猛練習。「ああいう練習を今までやる時間がなかったから」。王監督の表情からも緊迫感が伝わる。右手中指骨折で2軍調整中 だった川崎も1軍に合流。8日の広島戦からスタメン復帰の予定だ。悲壮な決意で流した汗を、再浮上への足がかりとしたい。

中村豊が右ひじ遊離軟骨除去手術へ

右ひじ関節炎のため、鳴尾浜で調整していた阪神・中村豊外野手(34)が、近日中に大阪市内の病院で遊離軟骨の除去手術を行うことが、7日分かった。

 開幕直後に出場選手登録を抹消され、リハビリを続けてきた。送球に関して支障はなかったが、「長い時間、バッティングするとね…」と話しており、打撃面では影響が出ていたという。

 それでも2軍戦には出場していたが、5月23日のウエスタン・広島戦(由宇)が最後の出場で、守備に就いたのみ。球団関係者は「ネズミ(遊離軟骨)があって、それを除去する」と説明した。

 堅実な守備は今後、1軍でも貴重な戦力となりうる。不安をなくすためにも手術を選び、早期復帰を目指す。

V9戦士集結で「サード長嶋」復活

巨人は8日、楽天戦(東京ドーム)の試合前に、史上初の通算5000勝達成を記念したイベントを行うが、そのセレモニーで、川上哲治元監督(87) 率いる栄光のV9戦士が、それぞれの守備位置に就くことが分かった。長嶋茂雄元監督(71)がサードに入るなど、往年の巨人の名選手たちがグラウンドに集 結する。

 ミスターが、ホットコーナーに帰ってくる-。1965年から日本シリーズ9連覇を果たし、巨人黄金時代を築いた栄光のV9メンバーがグラウンドに大集合だ。

 巨人が5000勝達成を記念し「栄光のV9シリーズ」として8日の楽天戦から11日の日本ハム戦までの交流戦4試合(いずれも東京ドーム)で行うイベント。8日の試合前には、V9戦士が始球式を務める。

 単なる始球式ではない。V9戦士たちが、ポジションに就いて行われる。最大の注目は、「サード・長嶋」だ。脳梗塞(こうそく)で倒れてから3年、守り慣れたホットコーナーで勇姿を披露する。

 マウンドには通算203勝の堀内恒夫が登場し、キャッチャーは吉田孝司氏が務める。二塁に土井正三氏、遊撃は黒江透修氏のいぶし銀コンビが入り、外野は左翼から末次利光氏、柴田勲氏、国松彰氏が固める。

  「一塁・王貞治氏」は、現在ソフトバンク監督のため断念し、“空席”とし、外野席の柱に飾られている永久欠番の『背番号1』のプレートにスポットライトを 当てる。そして、一塁ベンチ前にはV9監督の川上哲治氏が立つ。この豪華メンバーの中、だれが打席に立つかは明かされていない。

 V9メンバーは、この日の楽天戦を観戦する予定。連敗中の巨人だが、記念の一日に勝利を添えたいところだ。

保護観察強化で再犯防保護観察強化で再犯防止 更生保護法が成立

刑務所から仮釈放されたり少年院を仮退院したりした人たちの「保護観察」の強化を柱とする「更生保護法」が8日の参院本会議で全会一致で可決、成立 した。保護観察中に守らせる内容を明確にし、守らなければ刑務所や少年院に戻らせる仕組みを規定。施設の外で社会復帰を目指させる保護観察の狙いは維持し つつ、「再犯の防止」を強く打ち出した。

 新法の創設は、04年11月に奈良県で起きた女児誘拐殺害事件の容疑者が保護観察を2度受けていたことや、05年2月に愛知県で仮釈放中に行方不明になっていた男が見ず知らずの乳児をいきなり殺害したことなどがきっかけとなった。

 いまの犯罪者予防更生法と執行猶予者保護観察法では、保護観察の対象者が守るべき順守事項は「善行を保持すること」といった抽象的な記述にとどまっている。保護観察官や保護司が対象者の生活実態を把握する明確な規定もなく、再犯の兆候を見逃しがちとの指摘が出ていた。

 このため新法は、両法を統合し、法の目的に「再び犯罪をすることを防ぐ」旨を明示。順守事項として、保護観察官や保護司の面接に応じることや、勤務実態や収入、交友の状況を申告することなどを盛り込んだ。

 対象者の状況や特性にあわせて、保護観察官が「犯罪性のある者との交際」や「遊興による浪費」といった行為の禁止を細かく指定できるほ か、薬物使用や性犯罪に至った性格を矯正するための専門プログラム受講を義務づけることも認めた。保護観察中に実情に応じて指定内容を変更することも可能 になった。

 対象者が順守事項を守らなかった場合は、仮釈放を取り消したり、少年院に再び収容したりできるようにした。

 一方で、地方更生保護委員会が受刑者の仮釈放や少年の仮退院を判断する時に、犯罪被害者の意見を聴き取る制度を導入。「犯した罪に正面から向き合うことが更生につながる」との狙いから、被害者の気持ちを保護観察官や保護司を通じて対象者に伝えることもできるようになる。

     ◇

■更生保護法の主なポイント

《保護観察対象者は……》

・保護観察官、保護司の面接を受けることや、求めに応じて仕事や就学の状況、交友関係などを申告することが義務づけられる

・順守事項を守らなかった場合は、仮釈放の取り消しや少年院に戻されることがある

・必要に応じて、性犯罪や薬物犯罪など特定の犯罪的傾向を改善するための医学、心理学などの専門的なプログラムの受講を義務づけられる

《犯罪被害者は……》

・加害者の仮釈放や仮退院を許すかどうかを審理する際、希望して認められれば意見を言える

・保護観察対象者の更生を妨げる恐れがない場合は、保護観察所を通じて被害に関する気持ちを伝えることができる

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 〈キーワード:保護観察〉 刑務所の仮釈放者や保護観察付きの執行猶予者、家裁で保護観察処分を受けた少年や少年院の仮退院者に、社会生 活を通じて社会復帰を目指させる措置。国家公務員で専門知識を持つ「保護観察官」と、民間の篤志家がなる「保護司」が監督や指導にあたる。05年度には年 間約6万2000人が新たに保護観察の対象となっている。

児童買春の元兵庫県警巡査部長に猶予刑 神戸地裁

テレホンクラブで知り合った少女に現金を渡してわいせつな行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に問われた兵庫県警元巡査部長、田 之上誠被告(43)=同県明石市大久保町高丘3丁目=に対する判決が8日、神戸地裁であった。佐茂剛裁判官は「警察官の信頼を著しく損なう行為で刑事責任 は重いが、包み隠さず自供するなど反省の態度も見られる」として、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、田之上被告は06年2月、神戸市内で当時14歳の少女に、同12月には当時16歳の少女に年齢を聞いた上で、現金3万円と4万円をそれぞれ渡して買春した。

自殺率、16年まで20%以上削減 対策大綱を閣議決定

政府は8日午前の閣議で、昨年施行された自殺対策基本法に基づく「自殺総合対策大綱」を閣議決定した。世代別の傾向を踏まえた自殺予防に力を入れる 内容で、素案段階では「16年までに05年の自殺死亡率の20%削減」としていた数値目標を「20%以上削減」と強い表現に修正した。早期に目標が達成さ れれば、直ちに目標を再設定することも盛り込んだ。

 日本では、06年まで9年連続で自殺者が3万人を超えており、欧米諸国と比べ突出して高水準。失業など社会的要因による中高年男性の自 殺や、20~30代に多いインターネットの自殺サイト利用、健康問題や介護・看病疲れが原因になりやすい高齢者、といった世代別の分析を盛り込んだ。

 具体策としては「自殺を考えている人はサインを発している」として、自殺予防週間などで「国民一人ひとりの気づき」を促す。医師や教職 員らへの研修を実施して人材を養成。自殺の実態解明調査や、精神疾患の診断・治療技術の開発と普及を図る。民間団体の先駆的な自殺予防の取り組みを支援す るとともに、職場や地域、学校の相談態勢の充実、適切な精神科医療の受診につながる仕組みづくりも掲げた。

 施策の効果を評価するため、官房長官のもとに民間有識者を交えた会議を設けることも検討しており、5年をめどに大綱を見直す。削減目標は00年の「健康日本21」では約3割としていたが、今回の大綱では、より現実的な取り組みを進めることを重視した。