2007年6月7日木曜日

李登輝前総統が靖国参拝 『兄に会いに来た』

参拝を終え靖国神社を後にする台湾の李登輝前総統(中)=7日午前、東京都千代田区で

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 来日中の李登輝・台湾前総統(84)は七日午前、日本軍人として第二次世界大戦で戦没した実兄が祭られている靖国神社(東京都千代田区)を参拝し た。A級戦犯も祭られる靖国神社について中国は、大陸侵略を正当化するものとして批判してきており、中国が「台湾独立派の代表」とみなす李氏の参拝は、日 中間の新たな火種になる可能性をはらんでいる。

 李氏は午前十時すぎに靖国神社に到着、本殿に昇殿し参拝した。境内には報道陣や日台の関係者ら計百人以上が集まったが、李氏は参拝後の質問などには答えなかった。

 参拝に先立って都内のホテルで記者会見した李氏は「兄に会いに来ることは私にとって当然であり個人的なこと。政治的なものではない」と涙ながらに心情を語った。

 李氏の実兄、李登欽氏は日本海軍の軍人として大戦中の一九四五年、フィリピン戦線で没し「岩里武則」の日本名で靖国神社に祭られている。李氏は靖国参拝を希望、一方、靖国側も昨年訪台した南部利昭宮司が、李氏に面会し参拝を直接要請したという経緯がある。

 先月三十日、李氏は日本に向かう機中で「最後の日本訪問になるかもしれない。六十年以上も兄貴に会いに行かないのは人情として弟として忍びない」と話していた。

 関係者によると当初、李氏を招いた国際教養大学の中嶋嶺雄学長が参拝に難色を示したが、最終的には了承したという。

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