2007年6月5日火曜日

相続税14億円脱税、アユ養殖業の妻ら逮捕

アユの養殖販売業者だった男性の遺産を隠し相続税約14億8000万円を脱税したとして、大津地検は5日、相続税法違反容疑で滋賀県米原市朝妻筑摩、「天の川鮎苗出荷場」従業員で妻の川森千恵子容疑者(69)ら3人を逮捕し、大阪国税局と合同で3人の自宅など計6カ所を家宅捜索した。

 相続税の脱税額としては過去4番目に巨額。追徴税額は重加算税を含め約20億円に上る見通し。

 ほかに逮捕されたのは、千恵子容疑者の長女で同出荷場従業員吹野真由美(44)=米原市入江、長男で同出荷場経営川森健至(40)=米原市朝妻筑摩=の両容疑者。

 調べでは、3人は2004年に66歳で死亡した同出荷場前経営者の川森三雄氏から、預貯金や国債など約35億円相当を相続したが、大半を相続財産として申告せず、相続税約14億8000万円を免れた疑い。

 関係者によると、申告しなかった預貯金などは千恵子容疑者ら3人や親族らの名義で保有しており、3人は国税局の査察調査の段階では「遺産には当たらない」などと供述したという。

 三雄氏は1965年ごろ、アユの集荷業を開始。琵琶湖産のアユを仕入れ、全国各地の漁協などに販売し、県内でも有数の集荷業者になった。

 80年ごろ、アユの養殖販売業に乗り出し、河川に放流するアユを1キロ当たり2000-3000円で販売。業績を伸ばし、事業で得た財産を預貯金や国債で運用し増やしたらしい。(共同)

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