2007年6月8日金曜日

自殺率、16年まで20%以上削減 対策大綱を閣議決定

政府は8日午前の閣議で、昨年施行された自殺対策基本法に基づく「自殺総合対策大綱」を閣議決定した。世代別の傾向を踏まえた自殺予防に力を入れる 内容で、素案段階では「16年までに05年の自殺死亡率の20%削減」としていた数値目標を「20%以上削減」と強い表現に修正した。早期に目標が達成さ れれば、直ちに目標を再設定することも盛り込んだ。

 日本では、06年まで9年連続で自殺者が3万人を超えており、欧米諸国と比べ突出して高水準。失業など社会的要因による中高年男性の自 殺や、20~30代に多いインターネットの自殺サイト利用、健康問題や介護・看病疲れが原因になりやすい高齢者、といった世代別の分析を盛り込んだ。

 具体策としては「自殺を考えている人はサインを発している」として、自殺予防週間などで「国民一人ひとりの気づき」を促す。医師や教職 員らへの研修を実施して人材を養成。自殺の実態解明調査や、精神疾患の診断・治療技術の開発と普及を図る。民間団体の先駆的な自殺予防の取り組みを支援す るとともに、職場や地域、学校の相談態勢の充実、適切な精神科医療の受診につながる仕組みづくりも掲げた。

 施策の効果を評価するため、官房長官のもとに民間有識者を交えた会議を設けることも検討しており、5年をめどに大綱を見直す。削減目標は00年の「健康日本21」では約3割としていたが、今回の大綱では、より現実的な取り組みを進めることを重視した。

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